佐賀県内の基幹病院として、また地域の第一線病院として整形外科疾患全てを対象として診療しています。県内外の病院からたくさんのご紹介をいただいております。９名の常勤医師が、『24時間365日、整形外科疾患に対応します』をモットーに頑張っています。困った場合はいつでもご相談ください。地域の先生方、佐賀大学病院、好生館と密な連携を行い、皆様により良い整形外科医療を提供させていただきます。  

対象疾患

一般外傷、高齢者外傷、慢性疾患など整形外科領域を広く診療しています。手術を必要とする症例だけでなく、保存的治療が優先される疾患についても積極的に診療を行っています。

手術症例数

 手術症例数は年々増加しています。2025年度も更なる増加が見込まれています。  

手外科

整形外科医師は一般整形外科手術については全員知識と技術をもって診療しています。さらに、ほとんどの整形外科医師はサブスペシャリティーとして１つか２つの専門領域を持っています。なかでも当院は、「JCHO佐賀中部病院といえば手外科」といわれるほど手外科を専門とする医師が多く在籍し、手の疾患や外傷の患者さんの診療を数多く行っています。手や指の疾患やけがは、小さなものでも日常生活へ与える影響は大きく、とても不自由です。お気軽にご相談ください。

高齢者外傷

骨は年齢と共にもろくなるため、高齢者では比較的弱い外力で骨折を生じます。主なものに、大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折、手首の骨折などがあります。当院ではこれらの症例も多く診療させていただいています。高齢者の外傷は、その後の生活の質に大きな影響を及ぼします。退院後の生活については、地域連携室の看護師、医療ソーシャルワーカーを中心に患者様・ご家族に寄り添ったご相談をさせていただいています。また、当院には介護老人保健施設、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所が併設されていますので、安心していただける医療・福祉を提供できると思います。 代表的な高齢者外傷の実績を示します。 

• 大腿骨頚部骨折の手術実績

大腿骨頚部骨折（脚の付け根の骨折）は、高齢者に非常に多い骨折です。原因は骨粗しょう症とバランス能力の低下による転倒しやすさです。この骨折は、寝たきりの原因になりやすい骨折であることが大きな問題です。高齢者が寝たきりになると様々な合併症を併発しやすいため、命に係わる骨折であると考えられています。早期の手術が重要であることが世界的な共通認識となっており、当院でもなるべく早期の手術を目指し、受傷から２日以内を目安に行っています（併存疾患のために待期期間を延長せざるを得ない場合もあります）

• 脊椎圧迫骨折の入院実績

高齢者に非常の多い骨折の一つに脊椎圧迫骨折があります。尻もち程度の力でも容易に生じます。当院では多くの患者様の治療を行っています。基本的にはコルセットと骨粗鬆症に対する治療で保存的に加療します。痛みがなかなか軽減しない場合は、患者さんのADLの低下を最小限にするために骨折した骨を骨セメントで固定する手術を行い、早期のリハビリを行えるようにしています（保険適用）。

• 手首の骨折に対する手術実績

手首の骨折（橈骨遠位端骨折）は若年から老年まですべての年代で起こる、非常に症例数が多い骨折です。特に壮年期以降の方では骨の脆弱性（骨粗しょう症）に起因した骨折が多いのが特徴です。以前はズレが軽度な骨折に対しては保存的治療（ギプスでの治療）が行われてきました。しかし、保存治療の経過中にズレが大きくなってくる場合は少なくありませんし、骨が癒合するまで長期間の固定が必要になるため手指や手関節の動きが悪くなることがしばしばあります。近年は、積極的に金属での固定を早期に行い、なるべく早く元の生活に戻れるようにすることが標準的になってきています。

最新医療機器

当院では、先端的な治療機器の導入を積極的に行っています。 ロボットアーム手術 人工股関節置換術、人工膝関節置換術には、最新のロボットアーム手術を行っています。従来のマニュアル手技による手術をより正確かつ安全に実施することができます。ロボットアームを使用した手術は保険適用となっています。2025年4月に佐賀県・長崎県で初の導入を行いました。 ラジオ波を使用した変形性膝関節の治療 日本で唯一の変形性膝関節症に伴う疼痛治療を適応とした冷却機能付高周波システムであるCoolief（クーリーフ）（アバノス・メディカル・ジャパン・インク）を導入しています（令和5年6月1日に保険適用となっています）。 膝関節の痛みを伝える3本の神経をラジオ波で焼灼して疼痛を緩和させる治療法です。変形性膝関節症に対する新たな治療法で、保存的治療では十分に痛みが取れない患者さんや、併存疾患や社会的な理由で手術療法が受けられない場合も治療法の適応となります。局所麻酔で施術が可能であるため、人工関節の手術に比べ身体への負担が非常に小さいことが特徴です。  

業績

（2024年度） 著書

• 橋本 哲、園畑 素樹：整形外科保存治療ハンドブック：運動器疼痛に対する内服薬（漢方を除く）：中外医学社

総説

• 園畑 素樹：岐阜人工関節フォーラム誌：変形性股関節症の痛みに対するトータルマネージメント

論文

• Sonohata M. Kitamura M, Hashimoto A. Morioka Y: Cureus 2025: Perscription Pattern of Laxatives for Opioid-Induced Conspitation in Japanese Patients With Chronic Non-cancer Pain: A Retrospective Cohort Study of a Health Insurance Claims Database: 17(1):e78212
• Hashimoto A, Yasaka T, Suematsu R, Yoshida H, Miyake Y, Takeshita S, Oba Y, Fujii Y, Mawatari M, Sonohata M: PAIN RESEARCH 39(1): Serum IL-27 as a potential biomarker for pain in late-stage hip osteoarthritis

学会発表

• 橋本 哲、森岡 靖英、和田 志穂美、惟高 裕一、園畑 素樹：第17回日本運動器疼痛学会：運動器慢性疼痛患者を対象とした弱オピオイド鎮痛薬によるオピオイド誘発性便秘症の疫学的検討-患者アンケートによる観察研究-
• 橋本 哲、園畑 素樹、中島 武馬、浅見 昭彦：第67回日本手外科学会学術集会：手関節以遠の変形性関節症が手根管症候群の患者立脚型評価に及ぼす影響について
• 岸川 浩一郎、橋本 哲、村中 一喜、中島 武馬、田島 智徳、園畑 素樹：第147回西日本整形・災害外科学会学術集会：尺骨非定型骨折に対して腸骨ブロックの骨移植を併用しプレート固定した1例
• 片岡 佑太、村中 一喜、山口 勝城、坪根 遼平、水田 和孝、中島 武馬、橋本 哲、園畑 素樹：第148回西日本整形・災害外科学会学術集会：pull out法により修復した大腿四頭筋腱皮下断裂の2例
• 坪根 遼平、水田 和孝、山口 勝城、片岡 佑太、村中 一喜、中島 武馬、橋本 哲、園畑 素樹：第148回西日本整形・災害外科学会学術集会：化膿性屈筋腱鞘炎に対するパルス洗浄を用いた手術治療の臨床成績
• 山口 勝城、中島 武馬、坪根 遼平、片岡 佑太、村中 一喜、水田 和孝、橋本 哲、園畑 素樹：第148回西日本整形・災害外科学会学術集会：中手骨頚部骨折に対する逆行性髄内ヘッドレススクリュー固定法と鋼線髄内固定法の治療成績の比較
• 村中 一喜、園畑 素樹、橋本 哲、記伊 祥雲、馬渡 正明：第52回日本関節病学会：透析患者におけるセメントレス人工股関節全置換術の中期成績
• 中島 武馬、橋本 哲、園畑 素樹：第46回九州手外科研究会：骨性マレット指に対する手術成績不良因子の検討
• 水田 和孝、坂井 達弥、高島 怜史、井上 孝之、杉野 晴章、江頭 秀一、田中 博史、本岡 勉：第49回　日本足の外科学会：両側アキレス腱断裂に対するAchilles Midsubstance Speed Bridgeを用いた治療経験

講演

• 橋本 哲：透析患者さまの手根管症候群と治療：扶桑薬品工業株式会社勉強会：2024/6/20：佐賀市
• 園畑 素樹：運動器疼痛に対する薬物療法と下行性疼痛抑制系　～上肢慢性疼痛に対する治療も含めて～：整形疾患連携セミナー：3.6：横浜市
• 園畑 素樹：運動器の傷みに対する治療　～手と股関節を中心に～：長崎県臨床整形外科医会　学術講演会：2.15：諫早市
• 園畑 素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系　～上肢慢性疼痛に対する治療も含めて～：第23回　七隈整形外科懇話会：2024/12/3：福岡市
• 園畑 素樹：運動器疼痛に対する薬物療法と下行性疼痛抑制系　～上肢慢性疼痛に対する治療も含めて～：唐津東松浦医師会学術講演会：2025/1/27：唐津市
• 園畑 素樹：運動器疼痛に対するオピオイド治療とオピオイド誘発性便秘（OIC）：第17回　日本運動器疼痛学会　ランチョンセミナー6：2024/12/1：東京都
• 中島 武馬：銀含有ハイドロキシアパタイトをコーティングした椎体間のケージのラット腰椎椎体間における骨伝導能と神経毒性の検討：Saga Osteoporosis and bone metabolism Seminar：2024/4/5：佐賀市

（2023年度） 著書

• 編著　園畑素樹：診療所で使う整形外科の薬：日本医事新報社
• 橋本哲　園畑素樹：診療所で使う整形外科の薬：手根管症候群：日本医事新報社
• 橋本哲　園畑素樹：診療所で使う整形外科の薬：肘部管症候群：日本医事新報社
• 園畑素樹：診療所で使う整形外科の薬：変形性股関節症：日本医事新報社

総説

• 橋本哲　園畑素樹：特集　抗うつ薬の使い方：疼痛管理：月間薬事
• 園畑素樹：運動器疼痛に対するオピオイド治療の副作用　オピオイド誘発性便秘を中心に：Journal of Musculoskeletal Pain Research
• 園畑素樹　橋本哲　記伊祥雲：変形性関節症と中枢感作：運動器リハビリテーション

論文

• Sonohata M, Doi A, Uchihashi K, Hashimoto A, Kii S, Inoue T, Mawatari M: Short-Term Collagen Nerve Wrapping Facilitates Motor and Sensory Recovery from Nerve Degeneration in a Sciatic Nerve Injury Rat Model: Journal Pain Research
• 橋本哲　園畑素樹　中島武馬　浅見昭彦：肘部管症候群患者における変形性肘関節症と肘部管の運動神経伝導速度との関係：日本手外科学会雑誌

学会発表

• 園畑素樹：股関節の疼痛に対する治療戦略（シンポジウム）：第16回　日本運動器疼痛学会
• 橋本哲　園畑素樹　中島武馬　記伊祥雲　上野雅也　河野俊介　馬渡正明：銀含有ハイドロキシアパタイトコーティングに関する基礎研究（シンポジウム）：第46回　日本骨・関節感染症学会
• 橋本哲　園畑素樹　中島武馬　浅見昭彦：肘部管症候群患者における変形性肘関節症と肘部管の運動神経伝導速度との関係：第66回　日本手外科学会
• 田島智徳：外側円板状半月板と鑑別を要したvacuum phenomenonの1例：第1回日本膝関節学会

講演

• 園畑素樹：運動器疼痛に対するオピオイド治療と副作用　-OICをどう捉えるか-：第16回　日本運動器疼痛学会　ランチョンセミナー
• 園畑素樹：変形性股関節症の診断と治療：第57回　日本ペインクリニック学会　教育研修講演
• 橋本哲：生活習慣が手根管症候群に及ぼす影響について：臨床に活きる上肢の整形外科セミナー
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系　～上肢慢性疼痛に対する治療も含めて～：鹿児島県整形外科医会Web講演会
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系：痛みのトータルケア　~QOL向上を目指して~
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系：茨城県臨床整形外科医会webセミナー
• 園畑素樹：変形性股関節症の痛みに対するトータルマネージメント：第60回 岐阜人工関節フォーラム
• 園畑素樹：エビデンスに基づく運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系：第58回 宮崎県北地区整形外科医会学術講演会
• 園畑素樹：変形性股関節症における神経障害性疼痛と疼痛管理：整形外科疾患を考える会　テーマ：股関節
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系：骨折と痛みを考える会
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系：人生100年時代の整形外科疾患 Total web seminar
• 園畑素樹：運動器疼痛に対する薬物治療と下行性疼痛抑制系　～上肢慢性疼痛に対する治療も含めて～：手の外科疾患を考える会
• 園畑素樹：手根・手指腱鞘の痛み病態の分析と治療：疼痛医学講座　勉強会

その他

• 園畑素樹（会長）：第45回九州手外科研究会
• 橋本哲（会長）：第47回佐賀県骨折治療研究会

 

受付時間

午　前：　８時３０分～１１時３０分 ※急な学会出張等で休診の場合がありますので、事前にお電話でご確認ください。

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